📖 40代介護職の実務者研修リアル体験記【全7話】
- 第1話:2ヶ月放置からの大焦り!テキスト295問との戦い
- 第2話:おじさん浮かない?スクーリング初日と「展開用紙」の沼
- 第3話:「それ、誰の目標?」介護過程Ⅲの計画作成で言葉に詰まる(←今ココ)
- 第4話〜第7話:緊張の実技演習・医療的ケアまで完全網羅!
こんにちは。40代介護職のよしほにです。
働きながら実務者研修の資格取得を目指すリアル体験記、第3話です。
(※前回のお話はこちら:【第2話】おじさん浮かない?スクーリング初日と「展開用紙」の沼)
奇跡的に同世代5人が集まった和やかなクラスで安心したのも束の間。
スクーリングの「介護過程Ⅲ」は、普段現場で当たり前にやっていることを「言葉にする」難しさに直面する時間でした。
この日は、1人の架空の利用者さんに対して、午前と午後で2つのアプローチ(介助)の計画を立てて実技を行うスケジュールでした。
私たちが担当したのは「田中さん」です。
📝 田中さんのプロフィール
- 右片麻痺があるが、左利きで立位はとれる
- 杖歩行は10m可能
- 失語症があり、伝わらないもどかしさからコミュニケーションをとりたがらない
- 疲れやすいが、本心では「自分でできるようにならないと」と強く思っている
午前中は「着替え」、午後は「移動」の計画を立てました。
時間の都合上、着替えの実技は脳内でシミュレーションするだけになり、実際に体を動かして実技演習をしたのは午後の「移動(杖歩行)」です。
この計画を立てる展開用紙の作成で、私は先生からの鋭いツッコミに言葉を失うことになります。
展開用紙の罠!「安全に移動する」の主語は誰?
まずは展開用紙の作成で、田中さんの「課題」に対する「短期目標」を設定する段階にきました。
現場で働いている私にとって、日々の目標なんて毎日意識していることです。
「よし、ここはサクッと書いてしまおう」と、私は自信満々にこう書き込みました。
『転倒に注意して、安全に杖歩行で移動する』
現場の介護記録や申し送りでもよく見かける、ごく普通の目標ですよね。
しかし、これを見た先生から指摘が入りました。
「よしほにさん、それって誰の目標ですか? 介護者の目標になっていませんか?」
ハッとしました。
「転倒に注意して(私たちが介助し)、安全に移動(させる)」という、完全にスタッフ目線の言葉になっていたのです。
実務者研修で求められるのは、あくまで『利用者さん主体』の目標です。
正解は「(田中さんが)安全に杖歩行で移動できる」や「転倒の不安なく移動できる」といった表現になります。
無意識のうちに「自分がどう介助するか」を主語にしてしまう。
この意識を「利用者さんがどうなりたいか」に切り替える作業は、想像以上に頭を使いました。
アセスメントで問われる「その介助の根拠は何ですか?」
主語の切り替えになんとか慣れてきたところで、次に立ちはだかったのが「根拠」です。
目標に向けて、今度は具体的な「援助内容」を考えていくのですが、ここで先生からまたしても鋭い質問が飛びます。
「杖歩行の際、『スタッフは田中さんの右斜め後ろに立つ』と書きましたね。その介助位置を選んだ『根拠』は何ですか?」
普段の現場なら「右に麻痺があるから」で通じる内容です。
しかし、実務者研修ではそれだけでは通用しません。
「田中さんは右片麻痺があり、バランスを崩した場合、右手で手すりなどを掴んで支えることが困難で転倒リスクが高いため。
いつでも患側(右側)から支持して安全を確保できるよう、右斜め後ろに立つ」
というように、身体状況の分析(アセスメント)に基づいた『理論的な根拠』を言葉にして説明しなければならないのです。
「根拠は?」「どうしてそう考えたの?」
先生からの的確な追及に、私たち同世代5人のグループは全員で頭を抱えました。
普段当たり前にやっていることを、ただ言葉にするだけなのに、それが本当に難しいのです。
現場のケアを「根拠のあるプラン」として言語化する意味
「なぜこれほどまでに言葉(根拠)にこだわるのか?」
初めは戸惑いましたが、グループワークを進めるうちにその意味がはっきりと分かりました。
現場では、個人の経験や「いつものやり方」で介助をこなしてしまうことが多々あります。
しかし、それではその人にしかできない介助になってしまいます。
「根拠のある介助プラン」を作らないと、他のスタッフがその計画を見たときに、全く同じサービス(ケア)を提供できないのです。
田中さんは失語症があり、伝わらないと疲れ果てて諦めてしまいます。
もしスタッフによって介助の方法や立ち位置がバラバラだったら、田中さんは安心して歩くことができません。
「誰が見ても同じ質のケアができるように、根拠を言語化する」
ああ、これを学ぶために実務者研修に来たんだなと、確かな学びを感じることができたスクーリングでした。
次回予告:頭で作った計画が吹っ飛ぶ!?波乱の実技演習
「主語は誰?」「根拠は?」と悩みながらも、なんとか個人で立てた計画をグループでまとめ上げた私たち。
しかし、一息つく暇もありません。
午後には、今自分たちが考えた計画をベースにして、実際に体を動かす「田中さんの移動介助」の実技演習が待っています。
そして翌日の4日目には、羞恥心に配慮が必要な別の方、「佐藤さんのおむつ交換」の実技も控えています。
頭で完璧に考えたはずの計画も、いざ体を動かすと手順が飛ぶ!声かけを忘れる!
現場のやり方が染み付いた40代の体は、実務者研修の基本に忠実な手順についていけるのか!?
次回、【第4話:手順が飛ぶ!声かけを忘れる!冷や汗だらけの実技演習】に続きます!
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